光子のET図に代えてΩT図を提案

 光子の場図表現で以前に光子のET図というものを提案していたが、自由場を伝搬するのは素励起情報であってエネルギーではないという点に整合させるために、ET図は廃止し、ΩT図を下図のとおりに提案したい。横軸はエネルギーではなく角周波数 \omega としている。なお、これは私の趣味の問題で素励起情報にはエネルギー \hbar \omega の情報が含まれるとしても問題は特に無い。やり過ぎかもしれないが当面はこの考え方で進め、問題が見つかれば元のPT図に戻すことを検討したい。

自由光子場では真空ゆらぎ \frac{1}{2} \omega で仮想光子が絶えず生成しては消滅している。そして、光子の素励起情報が自由光子場で伝搬してくるとその素領域では n=1 となって仮想光子( \Omega=\frac{1}{2}\omega )が実光子( \Omega = \frac{3}{2}\omega )に変わる。光子の素励起情報がその素領域を通り過ぎると、実光子( \Omega = \frac{3}{2}\omega )は再び仮想光子( \Omega=\frac{1}{2}\omega )に戻る。

仮想光子( \Omega=\frac{1}{2}\omega )は、下図のように示される。

仮想光子のΩT図

一方、1光子状態の実光子( \Omega = \frac{3}{2}\omega )は、下図のように示される。

実光子のΩT図

なお、光子はボーズ統計に従い、同じ状態が複数個となることが許容されているので、 n=2,3,\cdots となってもよい。以上のように、1光子レベルの光波束の光学系を考える上では、 n=0,1 の仮想光子状態と1光子状態の2つで十分と考えられる。ただし、高強度のレーザ光を用いた光学系では、2光子状態等の多光子過程での挙動も考慮する必要が出てくるだろう。