物理

量子場光学と調和振動子近似の関係3

かなり前になるが2024-01-17の投稿「量子場光学と調和振動子近似の関係2」で次のように書いた。『以上のように考えると、質量の無い光子について調和振動子近似を用いることに以前は抵抗があったが、近似として考えれば受け入れても良いような気…

初心に返って光とは何か:光学遷移の自然幅の古典モデル

2024-04-24の投稿「量子場光学での1光子レベルの光波束の発生イメージ2」で光学遷移で指数的に減衰して励起原子が基底状態の戻ることで自然幅で発光する光源について少し触れた。これは光学遷移の自然幅の古典モデルでその波数分布は 分布となる…

量子場光学での1光子レベルの光波束の発生イメージ2

2023-11-08の投稿「量子場光学での1光子レベルの光波束の発生イメージ」ではJ.J.Sakurai著の日本語訳「上級量子力学第1巻」のp51に記載の内容を参考にして、『以上から類推して量子場光学に当てはめて考えると、原子に束縛された束縛電子場の…

初心に返って量子論:重ね合わせの原理

今回は、重ね合わせの原理について、粒子の量子論である量子力学と場の量子論とでの違いについて書いてみる。量子論は線形性に基づく理論であることから、重ね合わせの原理が成立する。 そこで、まずは粒子の量子論である量子力学での重ね合わせについて考え…

量子場光学で考えた電子とは何か

自仮説の量子場光学によって、光子や電子の振る舞いはある程度明瞭となった気がする。そして、光子は自由光子場が通常であるが、電子の場合は純粋な自由電子場は部分的にしか存在しておらず、自由電子場において 場との相互作用が絶えず繰り返して起こること…

初心に返って量子論:古典場と量子場

今回は、古典場と量子場との違いについて書いてみる。新井朝雄先生の著書「物理学の数理」のp311の脚注に『プランク定数 を で割った定数 が(6.49)に含まれているからといって、それがただちに量子論と結びつくと考えてはならない。』との記述があ…

初心に返って量子論:正準交換関係

光とは何かを明らかにしたくて自仮説の量子場光学の構築を目指した。それといっしょに、量子論の勉強もしてきた。特に、電磁気学、量子力学、特殊相対論、そして場の量子論と、色々と雑学的に勉強しつつ、量子光学の本も読んできた。しかし、じっくりと勉強…

初心に返って光とは何か:粒子性と波動性

光とは何かを明らかにしたくて自仮説の量子場光学の構築を目指した。そして、私の力量の範囲ではこれぐらいかなあという程度まで検討してきたつもりだ。これがトンデモなのかある程度意味のあることなのかはまだなんとも言えないが、自分なりに満足している…

量子場光学で考えた光とは何か3

量子光学を勉強してみてわかったことだが、光子の集団の統計的性質を扱う量子光学では表現できない点があって、そのような点に着目することで量子場光学の特徴が出てくる可能性が期待できる。 ところで、電子の 場との相互作用のイメージと光子のガラスでの…

再び量子光学の勉強3

量子光学は調和振動子近似による有限自由度の量子論であり、光子の集団の統計的性質を扱う。 関数は光子の状態を表現する手段である。量子もつれを例にすると、光ビームA、B(実際はどちらも自仮説での1光子レベルの光波束に対応)を光子A、Bと見做して…

再び量子光学の勉強2

量子光学について色々と勘違いしていた点がみつかってきている。これは量子光学の理解が不十分なところによる。そこで、一旦自仮説の量子場光学は忘れて、再び新鮮な目で量子光学の勉強を開始したい。なお、大きな勘違いとして、量子光学は、特に連続量量子…

エネルギーの局在性と横モードについて雑感7

2024-03-20の投稿『エネルギーの局在性と横モードについて雑感6』の続きで、かなりざっくりとした話題である。 中性子はdクォーク2個とuクォーク1個とがグルーオンにより結び付けられて運動エネルギーを質量エネルギーに変換されてエネルギー…

再び量子光学の勉強

私の過去の投稿で「マンデルディップ」という用語を何回か用いてきたが、使い方が間違っていたかもしれない。今更ながらだが、「Hong-Ou-Mandelの2光子干渉の実験」でのディップの方だけを略してマンデルディップと呼ぶことがあるようだ。一方、下図のよう…

「存在は全てが光」への道10

WMAP衛星によって求められた宇宙の構成要素比は、ダークエネルギー(暗黒エネルギー)が74%、ダークマター(暗黒物質)が22%で、通常の元素はわずか4%しかないらしい。 ところで、中西襄先生の素研の論説に「暗黒物質の素粒子はとらえられない」…

「存在は全てが光」への道9

宇宙が創成した初期であれば高エネルギーの実光子であっても正面衝突できるほど多数の実光子が密集していたのかもしれない。そう考えれば、宇宙が創成した初期に光から電子やハドロンが生まれたという仮説も十分に考えられそうだ。その場合は、たぶん、真空…

エネルギーの局在性と横モードについて雑感6

2024-03-06の投稿『エネルギーの局在性と横モードについて雑感5』の続きである。そこでは、次のように書いた。『 場との相互作用を繰り返す1電子レベルの電子波束のイメージを下図に示す。 1電子レベルの電子波束のイメージ図自由電子場と 場と…

エネルギーの局在性と横モードについて雑感5

2024-02-28の投稿「エネルギーの局在性と横モードについて雑感4」の続きである。 泡箱での電子の飛跡が細いことは上記の投稿で説明したが、電子のダブルスリット干渉の場合には別の横モードの拡がり具合を制限するメカニズムを考える必要がある。…

「存在は全てが光」への道8

2024-02-28の投稿「エネルギーの局在性と横モードについて雑感4」で提案した下図が示すようなメカニズムであれば、泡箱での電子の飛跡が細いことが説明可能である。 飛跡のイメージ図 そうであれば、電子も光子と同様に、横モードは電子光学系に…

エネルギーの局在性と横モードについて雑感4

2024-02-21の投稿「エネルギーの局在性と横モードについて雑感3」の続きである。 上記の投稿では、次のように書いた。『こうなるとやはり気になるのは、質量の有る電子の横モードはどう考えたらよいかである。北陸地域アイソトープ研究会誌第5号…

量子場光学で考えた光とは何か2

今回は、2024-01-31の投稿である「量子場光学で考えた光とはなにか」への念のための補足である。 量子場光学では、光子は電磁場の量子化において生じる概念であるため、原子に束縛された励起電子の光学遷移によって出射される光を光子とは呼ばずに…

エネルギーの局在性と横モードについて雑感3

2024-02-04の投稿『エネルギーの局在性と横モードについて雑感2』の続きである。 J.J.Sakurai著の2冊の日本語訳「上級量子力学」を読み進めている。しかしながら、光子においてエネルギーを局在化するような力を示唆する記載は本の中では見つか…

量子もつれ光の解釈について5

2024-02-18、すなわち今日の投稿「量子もつれ光の解釈について4」で、J.J.Sakurai(桜井純)著の日本語訳「上級量子力学第2巻」に記載の内容を読んで量子もつれについてすっきりとした。そこで、2023-09-24に投稿の「量子もつれ光の解…

量子もつれ光の解釈について4

エネルギーの局在性と横モードについて電子対生成の観点から何かヒントが無いかと、J.J.Sakurai(桜井純)著の日本語訳「上級量子力学第2巻」を読み進めているが、思わぬところで量子もつれについての記述を見つけてしまった。J.J.Sakurai著の日本語訳「上…

エネルギーの局在性と横モードについて雑感2

2024-02-07の投稿『エネルギーの局在性と横モードについて雑感』で、『光子も電子も横モードは質量ではなくエネルギーの局在性と関係しているのではないだろうか。』と再考を試みた。しかし、結論としては再考を中止した。 さて、今回ちょっと顕微…

「存在は全てが光」への道7

2024-02-07の投稿『エネルギーの局在性と横モードについて雑感』で、高エネルギーの光子が電子対生成を起こす際の泡箱の電子対の飛跡を見るに、電子及び陽電子の飛跡の太さが思いのほか細いことから、光子も電子も横モードは質量ではなくエネルギ…

エネルギーの局在性と横モードについて雑感

今回は、『「存在は全てが光」への道』への対応も含めて、量子場光学を少し改善していこうと思う。なお、これまでの量子場光学の対象は『「存在は全てが光」への道』を除いては例えばダブルスリット干渉のような低エネルギーの現象が中心であった。しかしな…

量子場光学の時空概念

量子場光学では特殊相対論に対応するべく相対論的不変性( 不変性)を満足するために、正世界(plus-verse)と負世界(minus-verse)とからなる双子世界(twin verse)を導入した。 光円錐の双子世界時空図は、表側が正世界で裏側が負世界と二重構造となって…

量子場光学で考えた光とは何か

このブログ「存在は全てが光」を立ち上げた最初の投稿が2020-01-20で「光とは何かという疑問」であった。 最初の2年間は忙しくて投稿も散発でしかできなかったが、昨年は週に2回程度の割合で継続的に投稿できた。その結果、当初よりもはっきりと…

早くも見直し3次元PT図

2024-01-14の投稿『今更ながら3次元PT図の見直し復活2』で、電子の3次元PT図について下記のように書いた。『電子の場合は、P軸方向(横波)とT軸方向(縦波)の2軸振動であって、正世界の右回りに対応して負世界が左回りに見えるのでヘ…

量子場光学とウィグナー関数の関係

2024-01-17の投稿「量子場光学と調和振動子近似の関係2」で、量子光学で登場する調和振動子近似を量子場光学でどのように考えるかを検討してみた。そして、それなりの関係性が確認出来て質量の無い光子であっても調和振動子近似は近似という点で…