エネルギーの局在性と横モードについて雑感6

 2024-03-06の投稿『エネルギーの局在性と横モードについて雑感5』の続きである。

そこでは、次のように書いた。

 Higgs 場との相互作用を繰り返す1電子レベルの電子波束のイメージを下図に示す。

1電子レベルの電子波束のイメージ図

自由電子場と Higgs 場との相互作用時空点には仮想 Higgs 粒子が絶えず生成消滅を繰り返していると考えている。スピン右巻き状態 \psi_R がスピン左巻き状態 \psi_L に変わる際には弱荷ー1でスピン0の Higgs 粒子が Higgs 場で消滅し、スピン左巻き状態 \psi_L がスピン右巻き状態 \psi_R に変わる際には弱荷ー1でスピン0の Higgs 粒子が Higgs 場で生成する。これが繰り返されることで1電子レベルの電子波束は自由電子場を拡がり具合を制約された横モードを持って伝搬していくように近似できるというイメージである。』

 なお、上のモデルによって、どうして電子波の横モードが制約を受けるかについて補足説明をしたい。まず、 Higgs 粒子が生成消滅する Higgs 場は時空にべったりと張り付いているので、 Higgs 粒子は自由電子場との相互作用において運動量の受け渡しが出来ないため、自由電子場の電子波は運動量保存則を満たすために直進する。上の図はそのようになっている。一方、電子波の横モードは、同心円状に拡がる電子波の挙動と関係がある。例えば電子波が液体水素の泡箱に入射したとすると、相互作用の相手として水素原子場が追加される。ただし、水素原子は Higgs 粒子ほど密に存在しないので、水素原子場との相互作用の頻度は圧倒的に少ない。そして、水素原子場が自由電子場と相互作用する機会は、ある Higgs 場との相互作用と次の Higgs 場との相互作用との間の電子波が同心円状に伝搬している期間に限られる。すなわち、横モードは上図の同心円状の電子波の伝搬した範囲に限られるということになる。これが横モードが Higgs 場との相互作用の存在によって電子波の横モードが制約を受ける理由である。

 量子の横モードについて、光子と電子についてはそれなりの考え方を提案した。ダブルスリット干渉のスリット間隔との関係を定性的には説明できる可能性がある。

 しかし、中性子の場合については全く未知である。中性子はdクォーク2個とuクォーク1個とがグルーオンにより結び付けられている。なお、中性子の崩壊は寿命が880秒で崩壊先は p + e^- + \bar{\nu}_e (陽子+電子+反電子ニュートリノ)である。なお、中性子の質量に対してクォークが寄与するのは僅かでほとんどはグルーオンが局在化させているエネルギーである。クォークも電子と同様に Higgs 場と相互作用するが中性子の質量に対しては僅かの寄与であり、中性子の横モードとの関係をクォークだけで考えるのは難しいような気がする。今後、グルーオンによる質量エネルギーがどのように質量を生み出すのかについて、本やネットで調べてみようと思う。これはまでは線形のQEDの範囲だったが、次は非線形のQCDの勉強が必要になってきそうで、これは私の力量ではかなり先までかかるだろう。。。まずは、光子と電子の場合について考え方をブラッシュアップしていくことを優先したい。。。