再び量子光学の勉強3

 量子光学は調和振動子近似による有限自由度の量子論であり、光子の集団の統計的性質を扱う。 Wigner 関数は光子の状態を表現する手段である。量子もつれを例にすると、光ビームA、B(実際はどちらも自仮説での1光子レベルの光波束に対応)を光子A、Bと見做して、光子を区別するが、本来は電磁場を多数の調和振動子の集団として扱い、個々の調和振動子を区別するようには構成されていない。したがって、光子の集団の統計的性質とは1光子レベルの光波束の統計的性質を意味していると考えるべきで、光子そのものというよりも光源からの多数回の発光状態の性質を見ている可能性がある。そのように考えると、 Wigner 関数が表現しているものは光源の多数回の発光状態の統計的性質と考えることが出来る。

 なお、バンチング、アンチバンチングというのは光源からの発光のタイミングの統計的性質である。それに対し、 Wigner 関数は光源からの発光の光の状態に関する統計的性質と考えられる。

 以上のように考えると、自仮説の量子場光学では1光子レベルの光波束は1回の発光の性質に着目するのに対し、量子光学は多数回の発光の統計的性質に着目するというふうに考えるのが妥当と思われる。

 以上から考えて、量子場光学は光子毎の性質を扱ったり光子から電子が生成する様子を扱うのに適し、量子光学は光を光子の集団である光ビームとして扱うのに適していると考えられる。そして、「存在は全てが光」への道を目指す用途では量子場光学を構築することが必要ということだ。それぞれに用途に合わせて使い分けることが重要のように思えてきた。。。こんなふうに思えてきたのだがどうだろうか。。。