量子場光学で考えた光とは何か3

 量子光学を勉強してみてわかったことだが、光子の集団の統計的性質を扱う量子光学では表現できない点があって、そのような点に着目することで量子場光学の特徴が出てくる可能性が期待できる。

 ところで、電子の Higgs 場との相互作用のイメージと光子のガラスでの伝搬のイメージとを比較することで次のようなとんでもないことを思いついた。

 まずは、1光子レベルの光波束、すなわち、光子波がガラス板を伝搬するイメージである。下図は2023-10-04の投稿「量子場光学から見た受光素子とガラス板について」にて示した図である。

光子の素励起情報の波動の伝搬イメージ図

次は、1電子レベルの電子波束、すなわち、電子波が Higgs 場との複合場である自由電子場を伝搬するイメージである。なお、入射波動Aと通過波動Bがずれているのは同じ軸で書くと解り難い図となるからで、運動量保存側があるので実際はずれることはなく縦波であるかのように振る舞う。次に、下図は2024-03-06の投稿「エネルギーの局在性と横モードについて雑感5」にて示した図である。

電子の素励起情報の波動の伝搬イメージ図

この2つの図を比較すると、ガラス板は束縛電子場(ガラスの物質場)のように見え、光子波がガラスの物質場との複合場である自由光子場を伝搬していくように見えてくる。自由電子場は自由と言いながら実際は Higgs 場が時空全体に張り付いているので Higgs 場と自由電子場との複合場である。一方、光子の場合は、ガラス板の外では自由光子場は複合場でなくて純粋な自由場である。ただし、ガラス板の中ではガラスの物質場(ガラスを構成する原子に束縛された電子の束縛電子場)と自由光子場の複合場となっている。そこで、純粋な自由場と区別するために必要に応じて今後はこのような複合場に「擬」を付けて擬自由量子場と呼ぶこともあることにする。光子波は下図のようにガラスの物質場と自由光子場との複合場である擬自由光子場を伝搬する。光がガラス板の中で速度を落とすのはある意味で光子が質量を持ったように振る舞うということである。これは電子が Higgs 場と真の自由電子場との複合場である擬自由電子場を質量を持って伝搬するのと同様である。

光子のガラス中の伝搬イメージ図

 このように考えると、質量の意味が見えてくる。質量は Higgs 場や物質場との複合場で量子が繰り返し相互作用をすることで光速よりも遅くなることを示している。なお、光子波もガラス板の中では縦波のように振る舞う。これが質量を持つという意味である。そして、電子波は Higgs 場と繰り返し相互作用することで縦波のように振る舞う。 Higgs 場は時空全体に張られているので電子は常に質量を持つように振る舞う。このように考えると、かなり質量の意味が明確になってきたような気がする。そして、これは量子光学ではなく量子場光学を用いることでこのような議論が可能となる。

 とんでも仮説かもしれないが、以上のように考えると、自仮説の量子場光学の存在意義がみえてくると思うのだが、どうだろうか。。。以前に、量子場光学によってなにも新しい発見は無いので存在意義がまだみつからないと言っていたが、ちょっと存在意義が見えてきたように思えて、自我自讃だ。。。2024-03-31に投稿の「再び量子光学の勉強3」でも述べたように、光子の集団の統計的性質を扱う量子光学と場に存在する量子を扱う量子場光学とは用途に合わせて使い分けるべきなのだ。。。