量子場光学で考えた電子とは何か

 自仮説の量子場光学によって、光子や電子の振る舞いはある程度明瞭となった気がする。そして、光子は自由光子場が通常であるが、電子の場合は純粋な自由電子場は部分的にしか存在しておらず、自由電子場において Higgs 場との相互作用が絶えず繰り返して起こることになっているので改めて全体を擬自由電子場と呼ぶことにした。電子の質量は Higgs 場との湯川相互作用として生じる。それは下図のようにスピン右巻き状態 \psi_R の電子波とスピン左巻き状態 \psi_L の電子波との繰り返しとなっている。自由電子場と Higgs 場とが相互作用する際に時空点が一致する必要があるが、頻繁に相互作用が起こるために1電子レベルの電子波束が同心円状に拡がる時間が短い。さらに、相互作用において運動量保存則が成り立つ必要がある。これらが擬自由電子場の電子波の横モードが拡がらない理由であると考えている。

電子の素励起情報の波動の伝搬イメージ図

 さらに、電子の3次元PT図を用いて説明すると、正世界の右回りがカイラリティ+1のスピン右巻き状態 \psi_R に対応する。一方、負世界の左回りがカイラリティー1のスピン左巻き状態 \psi_L に対応する。なお、カイラリティとヘリシティの関係は一般には一致しないが、エネルギー E が質量 m に比べて十分に大きい場合はカイラリティ+1(-1)の状態はヘリシティ + \frac{1}{2} - \frac{1}{2} )を持つと近似してよいらしい。そして、ヘリシティで言えば電子の場合は2回転して元に戻ることを意味している。そして、ヘリシティで言えば1回転毎、PT図で言えば半回転毎に Higgs 場との相互作用が生じており、純粋な自由場での伝搬ではない。さらに言えば、実電子は、スピン右巻き状態 \psi_R とスピン左巻き状態 \psi_L とを交互に繰り返して伝搬し、これは Zitterbewegung とも呼ばれる前後のジグザグ運動に対応して縦波として振る舞うので、電子は光速よりも遅くしか伝搬できない。

実電子の3次元PT図

 以上のように、光子は質量が無いので自由光子場を光速で伝搬する1光子レベルの光波束として表現されるが、電子は質量があり純粋な自由場ではなく擬自由電子場を光速よりも遅い速度で伝搬する1電子レベルの電子波束として表現されることになる。これを非相対論的な量子力学で近似的に表現すると、質量 m の電子の物質波という概念が出てきて、そのエネルギーは E_k = \frac{\hbar^2 k^2}{2 m} で表現できる。ただし、擬自由場での伝搬で分散があるので物質波の波束として考えると時間発展と共に拡がっていくことになってしまう。すなわち、物質波の概念で電子を表現するのは近似としても無理があるということなのだ。なお、電子の1電子レベルの電子波束は擬自由電子場の一部を構成する自由電子場においては光速で伝搬する。一方、光子の場合は純粋な自由場での伝搬で分散が無く、そのエネルギーは E_k = c \hbar k であり、光波束は時間発展しても拡がることは無い。以上のように考えると光子と同様に電子もすっきりした気がするのだがどうだろうか。量子力学では光子も電子も同様の粒子性及び波動性を持つとしているような気がするが、光子(1光子レベルの光波束)は自由光子場を伝搬し、電子(1電子レベルの電子波束)は擬自由電子場を伝搬するというように、 Higgs 場との相互作用の有無という点において異なるのだ。。。なんか、量子場光学の存在意義がやっと見えてきた気がするのだが、気のせいでやっぱりトンデモだろうか。。。