「存在は全てが光」への道10

 WMAP衛星によって求められた宇宙の構成要素比は、ダークエネルギー(暗黒エネルギー)が74%、ダークマター暗黒物質)が22%で、通常の元素はわずか4%しかないらしい。

 ところで、中西襄先生の素研の論説に「暗黒物質素粒子はとらえられない」というのを見つけた。そこに、「暗黒物質のバラバラ・クォーク雲説」という仮説があった。世の中には受け入れられていないらしいが、新たな素粒子でなく標準理論で既に認知されてありふれた存在であるクォークが主役というのが興味深い。通常の元素よりも数倍も多量にある存在が未知の新素粒子というのは不自然な気がするからだ。論説によると、『無色の状態における3つのクォークの波束が同じ位置にあれば、もちろんバリオンとして観測されるであろう。しかし、3つの波束の位置が全く異なっている場合には、全体として無色であっても、個々の波束の直積の状態ではないから、それぞれのクォークが単体として観測されることはない。この意味で閉じ込めが実現しているのである。つまりQCDの非可換性に起因する「量子もつれ」が不可避であるため、局所的にクォークを単体として取り出せないのである。』との記載と、『ビッグバン宇宙のはじめにおいて、バリオンに成り損ねたuクォークとdクォークが大量に残ったと考えるのは不自然ではない・・・(略)・・・バラバラなクォークでできた、全体としては電気的に中性の雲みたいなもの・・・(略)・・・このバラバラ・クォークの雲を構成する個々の粒子をとらえることは原理的に不可能である。しかしながら、それを古典的な物質としてとらえることは可能である。とくに重力に関しては、普通の物質となんら変わるところはない。』との記載がある。このバラバラなクォークでできた雲のような物質が暗黒物質ではないかという仮説である。

 なお、この仮説は九後・小嶋条件という補助条件が設定できる共変的正準形式の非可換ゲージ理論を用いることで理論構築できるらしく、補助条件を設定できない経路積分形式では構築できないらしい。

 宇宙論にとって、ダークマター暗黒物質)の解明は現在進行中のテーマであって、真相は全くの未知である。したがって、色々な仮説が提案されてしかるべきである。その上で、素人の私にとってもこの仮説は興味深い。。。

 また、もっと構成要素比の高いダークエネルギー(暗黒エネルギー)も非常に気になる存在である。真空エネルギーを候補とする仮説もあるようだ。

 ただし、場の量子論では真空エネルギーは宇宙全体では無限大に発散してしまう。一方、真空エネルギーについて、トンデモ自仮説の量子場光学では双子世界を想定しているので正世界と負世界とでキャンセルされて略0となり、宇宙全体で積分しても宇宙創成時のゆらぎの範囲に収まって発散することはないような気がする。なお、今は宇宙創成時のゆらぎは無くなっており、双子世界で考えた宇宙全体で積分しても真空エネルギーはきっちりと0になると考えている。もっとも、量子場光学は重力場を含まないので、私の場合は量子 Einstein 重力の勉強をしないといけないことになる。。。ということで最後はSF的な戯言となってしまった。。。