量子場光学で考えた光とは何か2

 今回は、2024-01-31の投稿である「量子場光学で考えた光とはなにか」への念のための補足である。

 量子場光学では、光子は電磁場の量子化において生じる概念であるため、原子に束縛された励起電子の光学遷移によって出射される光を光子とは呼ばずに1光子レベルの光波束と呼び、光子の素励起情報の波動であるとした。光子を質点として扱うと光のダブルスリット干渉の説明が容易でない。光子は分割できないからどちらのスリットを通過したか不明とかいう意味不明の説明が必要となる。光子は電磁場の離散的なエネルギー状態を指すのであって、位置が特定できるような存在ではない。光子が剛体とするともっとおかしなこととなる。特殊相対論に対応できないのだ。したがって、光子の大きさを議論するのもおかしいことになる。

 また、1光子レベルの光波束は、エネルギーを伝搬するものではない。エネルギーは場と場との相互作用として移動するものであって、場内を伝搬するものではない。そして、自由光子場を伝搬する1光子レベルの光波束は光子の素励起情報の波動である。自由光子場が束縛電子場と相互作用する際に、束縛電子場の原子に束縛された多数の電子のうち1つの電子を確率的に選択した上で励起する。その際、自由光子場から束縛電子場にエネルギーが移動する。

 さらに、光子は電磁場の量子化によって生じる概念であるが、量子場光学では電磁場の明白な共変的量子化を採用し、B場を補助場とし不定計量を導入した共変的量子化により、2つの横波光子と1つのスカラー光子とからなる光子のイメージが明瞭となった。仮想光子とクーロン力の関係も明瞭となった。さらには、未知の統一論の候補の一つである量子 Einstein 重力による重力場の共変的正準量子論との相性が良くなった。

 さらに、量子場光学では場の量子論を考慮したので局所性は担保されている。量子力学をベースにした量子光学で登場するEPR相関も、場の量子論を考慮すると不思議なものではない。量子もつれは場の量子論で説明可能のようである。もう少し勉強は必要だが。。。

 以上のように、光のイメージをかなり明瞭にすることができるようになった。。。でも、偉そうに好き勝手に書いてしまったが、本当だろうか。。。