今回は、自仮説で使い始めた自由場と束縛場について、考え方を整理したい。
さて、2023-07-12の「量子場光学について再考」という投稿で『束縛場は、実際は複合場であり量子が局在する場である。一方、自由場は、局所性と関係し、量子の素励起情報が伝搬する場である。』と記載した。この意味をもう少し例示的に追加で説明したい。
原子に束縛された電子の束縛電子場とは、電子を束縛するための原子核を構成する陽子が作るクーロン場と電子自体の電子場とが相互作用しているので複合場と呼んだ。そして、電子が原子に束縛されることで原子の存在する時空点に局在することになる。
次に、電子(電子波)が伝搬する自由電子場とは、電子のエネルギーが伝搬するのではなく電子の素励起情報が電子波という波動として伝搬するとした。エネルギーの移動はあくまで場と場の相互作用において生じるとすることで、波動の収縮(波束の収縮)という不可思議な現象を不要とした。そして、自由電子場を電子波が伝搬する様子がまさに近接作用であり、局所性を生む要因である。そして、光よりも速く伝搬することはないことから、相対論的な因果律が担保されている。
ちなみに、陽電子(陽電子波)についても電子(電子波)と同じ自由電子場を伝搬するものとしている。場図表現のPT図によれば、電子と陽電子との違いは、T軸振動とP軸振動との2軸振動位相差が か かの違いであり、それ以外の素励起情報は同じであるからである。