各種の量子論の位置付け雑感2

 今回は、2023-08-30の投稿である「各種の量子論の位置付け雑感」の続きである。そこでは量子論の階層について以下のように9つに分類した。

量子力学:粒子の量子論、統計処理、過去から未来への時間発展、非相対論的、 Euclid 空間

②離散量子光学:粒子の量子論、統計処理、過去から未来への時間発展、非相対論的、 Euclid 空間

③TSQM:粒子の量子論、統計処理、時間対称的な時間発展、非相対論的、 Euclid 空間

④連続量量子光学:場の量子論、過去から未来への時間発展、非相対論的、 Euclid 空間

⑤相対論的量子力学:粒子の量子論、特殊相対論、過去から未来への時間発展、 Zitterbewegung 、カイラルスピノール、 Mincowski 時空

⑥量子場光学(自仮説):粒子と場の量子論、時間対称的な時間発展、特殊相対論、 Zitterbewegung 、カイラルスピノール、 Minkowski 時空、自由場、束縛場

⑦場の量子論Ⅰ:経路積分量子化、粒子と場の量子論、特殊相対論、 Feynman 図、過去から未来への時間発展、 Minkowski 時空、散乱問題、S行列

⑧場の量子論Ⅱ:正準量子化、場の量子論、特殊相対論、過去から未来への時間発展、漸近場、相互作用場

⑨未知の統一理論:場の量子論、一般相対論

 この最後の『⑨未知の統一理論』について、ネットでちょっと調べていたら、中西襄先生の次の2つの素研の論説が見つかった。「素粒子の理論はなぜローレンツ不変なのか」と「時空概念の数学的イメージ」とだ。素人の私には殆ど理解不能だが、中西襄先生の提案する「重力場の共変的正準量子論」というものらしい。重力場の共変的正準量子論では古典 Einstein 重力を量子化した量子 Einstein 重力の理論が考案されている。なお、場の量子論では Minkowski 時空が登場する。一方、量子 Einstein 重力の理論では時空概念が特定の時空計量を採用するのではなく、ウルタイム  \; t を導入して4次元空間を最初から考え直すらしい。時空はもともと4次元アフィン空間であるから時間は別にウルタイムとして設定し、アフィン空間からウルタイムへの写像の原像の集合として時空を定義したとのこと。そうすると時間を特別扱いすることが無くなるらしい。そして基本の重力場は四脚場となるらしい。そこで私にとって興味深いのは、万有引力 Coulomb 力と同様に物理的状態だがゼロノルムで b_\mu の量子である点である。なお、正準量子化の手法は電磁場の明白な共変的量子化の延長になっていて、不定計量が採用されB場(NL場)とBRS変換と補助条件として九後・小嶋の条件が採用されている。また、場の量子論では Lorentz 不変性が重要であったが、それに代わってGL(4)不変性が重要らしい。さらに、『素粒子の理論の Poincar \acute{e} 不変性は、並進が自発的に破れていない場合にGL(4)の自発的破れの結果現れる二次的対称性である。』と書かれている。ここで、素粒子の理論とは場の量子論を指すと思われる。そしてこの点がSUSY(超対称性)や超重力とは前提として違うらしい。私には珍紛漢紛で理解不能で上に書いたことは論説から抜き出しただけであり理解として不正確かもしれないが、中西襄先生の重力場の共変的正準量子論は『⑨未知の統一理論』のひとつとして殆ど完成の域にあるように素人の私にはみえる。一方で、『⑨未知の統一理論』自体はまだ発展途上で確立されていないものという認識もあるが、そんなことは私としては二の次でよくて自仮説の構築のためにもっと詳しく知ることが第一である。。。中西襄先生はご病床とのことでなかなかかなわないことかもしれないけど、早く回復されて『重力場の共変的正準量子論』についての最新のわかり易い解説本が出版されたらいいのになあと思う。最近も量子 Einstein 重力での新たな知見が色々と検討されているようであり、随分自分勝手ではあるが興味深々だ。。。重力場については今は対象外なのでこれぐらいにしておきたい。ただ、真空エネルギーの起源が重力場の可能性があるかもしれないので、その点ではいずれ勉強する必要が生じるかもしれない。

 以上、ついいい気になってごたごたと好き勝手なことを書いてきたが、自仮説の⑥量子場光学の構築で不定計量を取り入れようとするのはそれほど的を外していないかもしれないなあとそれでもちょっといい気分である。重力波の速さが光の速さと同じなのは、質量の無い光子がなんらかの理由で質量を持って別の質量の有る量子に変化することと関係していて結局は光起因で質量エネルギーを介して重力が生まれたのではないかと勝手に考えている。もっともこの表現は特殊相対論の慣性質量しか考えていないためで、一般相対論での時空の曲がりを考えると表現が変わってくるような気がする。そして、私の最終目標はブログの名称通りで、『存在は全てが光』なので先はずっと長い。。。