光集積回路について3

 2025-06-25に投稿した「光集積回路について2」にて、次のように書いた。

『平行線路や同軸線路での電気信号は空間部分を電磁波として光速で伝搬することを説明した。ただし、これは空間部分が真空で線路導体が完全導体の場合である。実際には空間部分は誘電体で線路導体は抵抗を持った導体なのでCR効果(ローパス)で電気信号の伝送帯域が大きく低下する。』

さらに、

『情報伝送という点では、導体線路よりも光導波路の方が伝送帯域が著しく大きくさらに低消費電力であるという利点が生かせるようになってきた。なお、以前は光も含めて電磁波を閉じ込めて高集積化を図るという点では光導波路を用いた素子は導体線路を用いた素子よりも不利であったが、光を効率よく閉じ込め可能なフォトニクス結晶を用いた素子が微細加工技術の発展により応用可能となり、 Si 半導体 LSI Si フォトニック集積回路との融合が現実になってきている。』

 なお、良く考えれば既に、ネット通信は光ファイバを用いた光回線であり、スマートフォンは電波を用いた無線回線である。一方、端末パソコンやスマートフォン自体は導体線路を用いた電子回路である。今後は端末パソコンやスマートフォンの中にフォトニック集積回路を採用することにどの程度のメリットがあるかという点が気になる。長距離の情報伝送では大きな伝送帯域と低消費電力も大きなメリットであった。端末パソコンやスマートフォンではどうだろうか。コストとメリットとのせめぎ合いということかもしれない。

 ところで、かつての有線電話の導体線路は3芯線であった。受信側と送信側と共通アースの少なくとも3つの導体が必要だったのだ。さらに、電話ではないが、共通アース線のノイズが気になる場合は通信線とアース線とをペアにしたツィスティッドペア配線というのもあったような。一方、光回線光ファイバによる線路は1本だけで良い。これは電磁波による情報伝送という点は同じでも導体線路の場合は導体中の電子が関与するので1本では使えないのだ。光ファイバの場合は受信側の光と送信側の光は相互作用をせずに互いに素通りするので1本で良いのだ。これも光導波路のメリットだろう。

 光コンピューティングはどの程度まで実用化に耐えるレベルになっているのだろう。通信回線だけでなく情報処理にも光が適用できるようになり、情報処理能力の向上と低消費電力化が実現することを期待したい。。。