改訂:ゲージ場と光子の場図表現について

 早速だが、量子場光学の構築方針の大幅改訂にしたがって、真空エネルギーは存在するが0であるとした改訂の第1弾として、光子の場図表現であるPT図及びΩT図とゲージ場 A_\mu (x) の関係を説明する。さらに、反世界という用語が反粒子の世界と勘違いされる恐れがあって紛らわしいということ、そして、一番に反世界が負ノルムの世界と想定すると電子の場合に無理があることの2つの理由で、この機に負世界に変更する。すなわち、双子世界(twin verse)は正世界(plus-verse)と負世界(minus-verse)とから構成され、いずれも実在する世界とする。正世界は確率波が光子生成状態(正値1)の世界で負世界は確率波が光子消滅状態(負値-1)の世界である。なお、英語名も併せて変更した。正世界と負世界は正負の違いであって対等の関係である。ただし、人間は確率波が光子生成状態(正値)の正世界を認知できるようにできている点が相違する。そして、さらに重要なこととして、量子の場図表現は量子の素励起情報の波動を表現するものとしたい。

 ゲージ場 A_\mu (x) は Fourier 展開により横波、縦波、スカラー波という偏極成分に分解すると次式で表される。

 \qquad \displaystyle{ A_\mu (x) = \int \frac{d^3 \mathbf{k}}{\sqrt{(2\pi)^3 2 \omega_k}} \sum_{\lambda=0}^3 \{ a(\mathbf{k},\lambda) \epsilon_\mu (\mathbf{k},\lambda) e^{-i k \cdot x} + a^\dagger (\mathbf{k},\lambda) \epsilon_\mu (\mathbf{k},\lambda)^* e^{i k \cdot x} \} }

             ・・・(1)

ここで、 k \cdot x = k^\mu x_\mu = \omega_k t - \mathbf{k} \cdot \mathbf{x} で、 k^\mu = (\omega_k,-\mathbf{k}), \; x_\mu = (t,\mathbf{x}) である。上式で \epsilon_\mu (\mathbf{k},\lambda) は偏極ベクトルで、 \lambda=1,2 が横波モード、 \lambda=3 が縦波モード、 \lambda=0 がスカラーモードである。上式から明らかなように、ゲージ場 A_\mu (x) の波動は、光子(光子波)であり、正ノルムの物理的状態である横波とゼロノルムの物理的状態であるスカラー波と負ノルムの非物理的状態である縦波とから構成される。なお、光子は素励起情報の波動そのものであって、エネルギーではない。

ここで、明白な共変的量子化により、4次元運動量の生成消滅演算子を用いて、ゲージ場 A_\mu (x) を表すと、

 \qquad \displaystyle{ A_\mu (x) = \lim_{\epsilon\rightarrow +0} (2 \pi)^{- \frac{3}{2}} \int d^4p \; \theta (p_0-\epsilon) \left[ a_\mu(p) e^{-i p \cdot x} + a^{\dagger}_\mu(p) e^{i p \cdot x} \right] }  ・・・(2)

また、補助場である B (x) は、

 \qquad \displaystyle{ B(x) = (2 \pi)^{- \frac{3}{2}} \int d^4 p \; \left[ b(p) e^{- i p \cdot x} +  b^\dagger (p) e^{i p \cdot x} \right] } ・・・(3)

ここで、4次元運動量の関数としての生成消滅演算子は次のように定義する。

 \qquad \displaystyle{ a_\mu (p) \equiv -i (2 \pi)^{-\frac{3}{2}} \theta (p_0) \int d^3 z \; [ \delta(p^2) e^{i p \cdot z} \overleftrightarrow {\partial_0} A_\mu (z) + \delta ' (p^2) e^{i p \cdot z} 
 \overleftrightarrow {\partial_0} \square A_\mu (z) ] } ・・・(4)

 \qquad \displaystyle{ a^{\dagger}_\mu (p) \equiv i (2 \pi)^{-\frac{3}{2}} \theta (p_0) \int d^3 z \; [\delta (p^2) e^{-i p \cdot z} \overleftrightarrow {\partial_0} A_\mu (z) + \delta'(p^2) e^{-i p \cdot z} \overleftrightarrow {\partial_0} \square A_\mu (z) ] } ・・・(5)

 \qquad \displaystyle{ b(p) \equiv -i (2 \pi)^{-\frac{3}{2}} \theta(p_0) \delta(p^2) \int d^3 z \; e^{i p \cdot z} \overleftrightarrow {\partial_0} B(z) } ・・・(6)

 \qquad \displaystyle{ b^\dagger(p) \equiv i (2 \pi)^{-\frac{3}{2}} \theta(p_0) \delta(p^2) \int d^3 z \; e^{-i p \cdot z} \overleftrightarrow {\partial_0} B(z) } ・・・(7)

ここで、 a_\mu (p) は4次元ベクトル、 b (p) はスカラーである。

なお、 p_\mu \; (p_0 >0) という4次元運動量を持つ光子1個の状態としては、 p_1=p_2=0 という座標系で考えると、1つ目の横波光子 a_1^\dagger (p)|0> 、2つ目の横波光子 a_2^\dagger (p)|0> 、さらに、縦波光子 a_3^\dagger (p)|0> 、スカラー光子 b^\dagger (p)|0> の4つがある。

なお、補助条件は、 b(p)|phys> = 0 であるが、次式が成立する。

 \qquad <0|b(q) \;b^\dagger (p) |0> = 0 ・・・(8)

 \qquad b(q)b^\dagger (p)|0> = 0 ・・・(9)

すなわち、スカラー光子 b^\dagger (p)|0> はゼロノルムだが補助条件を満たすので物理的状態である。

それに対し、縦波光子 a_3^\dagger (p)|0> は負ノルムであり補助条件を満たさないため非物理的状態である。

そして、1つ目の横波光子 a_1^\dagger (p)|0> 、2つ目の横波光子 a_2^\dagger (p)|0> はいずれも正ノルムであり補助条件を満たすため物理的状態である。

 ちなみに、自仮説の「量子場光学」に対応してゲージ場 A_\mu (x) を運動量表示から波数表示に書き直しておくと次式となる。

 \qquad \displaystyle{ A_\mu (x) = \lim_{\epsilon \rightarrow +0} (2 \pi)^{- \frac{3}{2}} \int d^4 k \; \theta (k_0 - \epsilon) \left[ a_\mu (k) e^{-i k \cdot x} + a^{\dagger}_\mu(k) e^{i k \cdot x} \right] }  ・・・(10)

また、補助場である B (x) は、

 \qquad \displaystyle{ B(x) = (2 \pi)^{- \frac{3}{2}} \int d^4 k \; \left[ b(k) e^{- i k \cdot x} +  b^\dagger (k) e^{i k \cdot x} \right] } ・・・(11)

ここで、4次元波数の関数としての生成消滅演算子は次のように定義する。

 \qquad \displaystyle{ a_\mu (k) \equiv -i (2 \pi)^{-\frac{3}{2}} \theta (k_0) \int d^3 z \; [ \delta (k^2) e^{i k \cdot z} \overleftrightarrow {\partial_0} A_\mu (z) + \delta'(k^2) e^{i k \cdot z} 
 \overleftrightarrow {\partial_0} \square A_\mu (z) ] } ・・・(12)

 \qquad \displaystyle{ a^{\dagger}_\mu (k) \equiv i (2 \pi)^{-\frac{3}{2}} \theta(k_0) \int d^3 z \; 
 [\delta(k^2)e^{-i k \cdot z} \overleftrightarrow {\partial_0} A_\mu (z) + \delta'(k^2) e^{-i k \cdot z} 
 \overleftrightarrow {\partial_0} \square A_\mu (z) ] } ・・・(13)

 \qquad \displaystyle{ b(k) \equiv -i (2 \pi)^{-\frac{3}{2}} \theta(k_0) \delta(k^2) \int d^3 z \; e^{i k \cdot z} \overleftrightarrow {\partial_0} B(z) } ・・・(14)

 \qquad \displaystyle{ b^\dagger (k) \equiv i (2 \pi)^{-\frac{3}{2}} \theta(k_0) \delta(k^2) \int d^3 z \; e^{-i k \cdot z} \overleftrightarrow {\partial_0} B(z) } ・・・(15)

 次に、いよいよ量子の場図表現について説明する。まずは、光子の場図表現から始める。

光子のうち実光子のPT図は、下記のとおりである。

実光子のPT図

実光子のPT図では、双子世界のうちの正世界の赤矢印が正ノルムの横波光子( \lambda=1 : a_1^\dagger (p)|0>  \lambda=2: a_2^\dagger (p)|0> ) の確率波が光子生成状態(正値1)の部分で、負世界の青矢印が正ノルムの横波光子の確率波が光子消滅状態(負値-1)の部分を示している。一方、負ノルムの縦波光子( \lambda=3 : a_3^\dagger (p)|0> )は非物理的状態なので図表現されていない。さらに、赤矢印と青矢印のつなぎ目の黒丸がゼロノルムのスカラー光子( \lambda=0 : b^\dagger (p)|0> )を表現しており、存在してもゼロノルムなので当然人間は認知できない。人間は横波光子の正世界の部分(赤矢印)を確率波が光子生成状態(正値1)なので光として認知することができる。なお、光子場を伝搬するのは実光子の素励起情報の波動であってゲージ場の波動である。実光子はPT図では正世界と負世界を往復するP軸方向の1軸振動と黒丸のスカラーとで表現されている。注意すべきはエネルギーが伝搬しているわけではない点である。ちなみに、自仮説ではこの実光子の素励起情報の波動を実光子波、略して実光子と呼ぶこととする。

 なお、実光子のΩT図は下記のとおりである。光子場のエネルギーについて、瞬時では、正世界では正エネルギーに対応する角振動数 \frac{3}{2} \omega で負世界では負エネルギーに対応する角振動数 - \frac{3}{2} \omega となるが、ある時間幅を考えると正負で相殺されて0となる。

実光子のΩT図

 次に、光子のうち仮想光子のPT図は、下記のとおりである。

仮想光子のPT図

仮想光子のPT図では、双子世界のうちの正世界の赤矢印が正ノルムの横波光子( \lambda=1 : a_1^\dagger (p)|0> 、 \lambda=2: a_2^\dagger (p)|0> )の確率波が光子生成状態(正値1)の部分に対応するが、点線で表示されており、半分しか存在しておらず、確率波が光子生成状態(正値1)の部分であっても不完全である。その結果、仮想光子を人間は直接的には認知できない。ただし、 Casimir 効果や Lamb シフトを介して間接的には認知可能であり、確かに真空エネルギーが存在していることを意味している。さらに、負世界の青矢印が横波光子の確率波が光子消滅状態(負値-1)の部分に対応するが、こちらも点線で表示されているとおり、半分しか存在せず不完全である。また、負ノルムの縦波光子( \lambda=3 : a_3^\dagger (p)|0> )は非物理的状態なので図表現されていない。一方、赤矢印と青矢印のつなぎ目の黒丸がゼロノルムのスカラー光子( \lambda=0 : b^\dagger (p)|0> )を図表現していて、こちらは存在しているがゼロノルムなので当然人間は認知できない。すなわち、仮想光子はスカラー光子と半分しか存在しない不完全な横波光子とから構成されている。 Coulomb 力はこのような仮想光子が伝搬してキャッチボールされることで近接作用として表現され、局所性が担保されている。なお、ゼロノルムのスカラー光子は光子場へのエネルギーに対応する角振動数への寄与は0である。不完全な横波光子については次のΩT図を用いてさらに詳しく説明する。

 次に、仮想光子のΩT図について下図に示し説明する。光子場のエネルギーに対応する角振動数について、仮想光子の寄与は、瞬時では、正世界では正エネルギーに対応する角振動数 \frac{1}{2} \omega で負世界では負エネルギーに対応する角振動数 - \frac{1}{2} \omega となるが、ある時間幅を考えると正負で相殺されて平均的に0となる。これは不完全な横波光子の寄与である。したがって、仮想光子の生成と消滅の繰り返しで生じる真空ゆらぎの真空エネルギーに対応する角振動数は瞬時では \pm \frac{1}{2} \omega を繰り返すが、ある時間幅では平均的に0となるので、量子 Einstein 重力の近似として相対論的不変性も成立する。

仮想光子のΩT図

 以上のように、ゲージ場の波動と光子のPT図及びΩT図とは対応しており、ゲージ場の波動である光子(光子波)、すなわち光子の素励起情報の波動を表現している。

 こんなふうにゲージ場と光子の場図表現を改訂してみた。以下では1光子状態 |1> 及び真空状態 |0> の自由光子場のエネルギーで考える。物理的状態である正ノルムの横波光子が光子場のエネルギーに寄与するとした。実光子については、横波光子の正世界での瞬時の正エネルギー \frac{3}{2} \hbar \omega を人間が直接的に認知できる。そして、正世界と負世界とからなる双子世界全体では横波光子の正エネルギー \frac{3}{2} \hbar \omega と横波光子の負エネルギー - \frac{3}{2} \hbar \omega との和が平均的には0となる。これは宇宙の光子が0から生まれたという意味とも関係していると思われる。一方、仮想光子については、自由光子場では素領域毎に仮想光子が絶えず生成しては消滅する様子は仮想光子のPT図での原点の黒丸と横波光子の赤色及び青色の破線矢印で図表現されており、これらの生成と消滅の繰り返しが量子ゆらぎないしは真空ゆらぎである。そして、正世界のエネルギー \frac{1}{2} \hbar \omega の横波光子が仮想光子の生成に対応し、負世界のエネルギー - \frac{1}{2} \hbar \omega の横波光子が仮想光子の消滅に対応する。仮想光子については、横波光子の正世界での瞬時の正エネルギー \frac{1}{2} \hbar \omega を人間が Casimir 効果や Lamb シフトを介して間接的に認知できる。そして、正世界と負世界とからなる双子世界全体では横波光子の正エネルギー \frac{1}{2} \hbar \omega と横波光子の負エネルギー - \frac{1}{2} \hbar \omega との和が0となる。すなわち、真空ゆらぎの真空エネルギーは存在するが近似的に0とみなすことができる。

 なお、上記の説明では、1光子状態 |1> 及び真空状態 |0> の自由光子場のエネルギーとして空間で積分して実光子や仮想光子のエネルギーを説明しているが、光子の素励起情報としては \hbar を削除した角振動数 \omega や \frac{1}{2} \omega として扱う必要がある。

 以上から、真空エネルギーは瞬時では有限値であるが、ある時間幅で平均的には0となるので空間で積分しても発散することはない。そして、時空で積分するときっちりと0となる。こうするとなんか以前よりもすっきりとわかり易くなった気が私はしているがどうだろうか。。。宇宙が無から生まれたことの名残が今も存在している。。。

 ところで、今更ながら大幅改訂したPT図をみると、 Fourier 展開して偏極成分に分解した式(1)のゲージ場 A(x) との対応が非常にわかり易くなった気がする。正世界が式(1)のゲージ場 A(x) である素励起情報の波動の Fourier 展開された式の生成演算子側の項に対応し、負世界が式(1)の消滅演算子側に対応している。そして、式(1)の \lambda = 1,2 の横波光子がPT図のP軸方向の1軸振動に対応し、式(1)の \lambda=0 のスカラー光子がPT図の原点の黒丸に対応している。ただし、光子の場図表現では、光子の素励起情報に、光波束の縦モードに対応する角振動数の拡がり具合と横モードに対応する光学系で比較的容易に変更可能な進行方向と垂直な平面でに拡がり具合との情報を盛り込めていないので、別添えとなる。

 次に、電子の場図表現についても提示しておく。こちらはもともとフーリエ Fourier 展開された Dirac 場 \psi (x) との対応がわかり易かった。これで非常にスッキリだ。一応、電子と陽電子の場図表現を下図に示しておく。

電子のPT図
電子のΩT図
陽電子のPT図
陽電子ΩT図

 なお、幸いなことにゼロ点エネルギー、真空エネルギーがこれまでの投稿で登場する場面は限られており、見直すべき点は思ったより少ないようだ。また、もし以前に登場していてもその部分の記載を削除するだけで良さそうな気がする。。。といって、過去の投稿について見直しがじゃまくさくなったのが本音だが。。。今後、説明に行き詰ったらその時点で見直したい。また、今後は真空エネルギーは近似的に0であるとして検討を進める。。。量子 Einstein 重力による重力場の共変的正準量子論の勉強をいずれもっとしないといけないかも。。。統一理論にはそれ以外にも色々とあるようだが、まずは自仮説に一番整合するような気がする線で進めようと思う。。。